遠距離恋愛 その後 力が入り、止まり、徐々に抜けて、そのままゆっくり崩れおちていく。SEXのその先は「ご利用は計画的に」な感じでパートナーとも妊娠を目的にした時のみ中で放つそれで・・・何か変わる?女性が不利なだけの火遊びに過ぎない。遊び、は責任の取れる範囲内で... 2022.07.05 遠距離恋愛
遠距離恋愛 愛してる 「sana・・・あぁ・・愛してるよ」苦悶するように絞り出した声は、欲情と振動で掠れた。私主体で動いていた雅治が、堪えきれずに自分の快楽の中心へ入っていく「いい・・・?」「いい・・・よ、気持ちいい」いつもの低い声に、吐ききれない吐息が混じる。... 2022.07.04 遠距離恋愛
遠距離恋愛 奪いに 真正のマニアックには、どうやらなれないそこに興味はあったとしても、興味を絞りだしたところで、それでないと・・・を見いだせないやってみたって、所詮はそんなところ紐・・・言ってみたところで、結局は手に取ることすらためらうのだそれは似合わないアク... 2022.07.03 遠距離恋愛
遠距離恋愛 ほしいものは テーマパークに行ったことがある夢のようなサウンドにのって始まるパレードに、様々なアトラクション・・・私はその華やかさに夢見心地にはなれず、上下動する人形たちを見ていた。綺麗な造形を叩くとコツコツと無機質な音がする。パークが嫌いなわけじゃなく... 2022.07.02 遠距離恋愛
遠距離恋愛 ・・・いいか、もう 「・・・いま、写真撮ってるでしょう?」「えっ!」これまでも、雅治から写真をと言われたことがある「・・・世間に出回ってるじゃない。もっと綺麗なひとの綺麗なのがあるでしょう、別に私のじゃなくてもそっちのほうが」「それはsanaじゃないよ」「・・... 2022.07.01 遠距離恋愛
遠距離恋愛 何の音? やわらかい生地のそれは顔を半分覆うほどに大きくて、目だけを覆う形ではなかった後部についたマジックテープをビリビリと開くと、頭のサイズに合わせて強めに止める「痛くはない?」「うん」「見えてない?隙間からとか」「見えてません。・・・ねぇ、ウソ、... 2022.06.29 遠距離恋愛
遠距離恋愛 アイマスク 濃い色のそういう下着、昔はそういう時には身に着けていた。透けてたり小さかったり紐だったり、20代のぐっとくびれたウエストラインには、それを強調する濃い色が映えた。今じゃそんなとこにお金使わないし、喜ぶ人がいるわけでもない。洗濯機でそれが回っ... 2022.06.29 遠距離恋愛
遠距離恋愛 したいようにして 「前は赤だったね。真っ赤な・・・」「・・・覚えてたの」「覚えてるよ」「たまにはいいかなと。『紐』とか言ってたから、そのかわりというか」数年前、たまたま雅治の誕生日月に逢えた時。プレゼント代わりにと真っ赤な下着をつけた。だけど少し戸惑うような... 2022.06.28 遠距離恋愛
遠距離恋愛 カブトムシ 夢で見た。後ろから突かれるのをへたり込んで、立てないくらいに激しいその夢のままに「後ろから、して」雅治は私を抱え込み、貫いていくカブトムシを、ひと夏、飼ったことがあるカブトムシの交尾は激しく、人間のそれをほうふつとさせるギュウギュウと声を発... 2022.06.27 遠距離恋愛
遠距離恋愛 待ってた 逢ったらこう言おうとか、逢ったらこうしようとか逢うまでは、いつも思うのに逢えばいつも、全部消えてしまう「どうして、私が判るの」「僕は何も考えていないよ、いつも」裸の胸と胸が合わさると、ただホッとする。纏わぬ腕が裸体の私を抱き、折れるほどの勢... 2022.06.26 遠距離恋愛
遠距離恋愛 薬よりも 雅治との時間はいつもわずかでそのわずかを、日常の出来事を色々話して埋めたくない。雅治に、そんなことの答えを求めてないただわずかな、この時間の間ずっと私を、その腕に抱いていてほしいまた、普通の顔をして日常に戻っていけるから「もういい、頑張らな... 2022.06.25 遠距離恋愛
遠距離恋愛 何をどうすれば 「ねぇ、じゃあもし私が、もう離れるって告げたらどうする?」それは以前から何度も思ってもいないのに、思えないのに確認のように問う問い雅治が答える、その答えもいつも、判で押したように同じで「sanaが離れるっていうなら・・・僕は止められない、ん... 2022.06.24 遠距離恋愛
遠距離恋愛 守りたいもののために 「したくないなら外でしてくるから。私に興味がある人とあなたのかわりに。そうなっても文句を言わないでね、って」「・・・そんなこと言ったの。ご主人は何て?」久しぶり、の車の中でする話じゃないけど雅治は驚いたようにぱちぱちと目をしばたいて、でも興... 2022.06.23 遠距離恋愛
遠距離恋愛 雅治へ 「今日のブログ、驚いたよ。あの日は、そんなに体調が悪かったの?」いつもの時間の電話いつもの「もしもし」に続いた低い声には、驚きと心配と、どうして言わなかったかと言いたげな、かすかな怒りもこもっているように聞こえた「えっと・・・ちょっと、ね」... 2022.06.22 遠距離恋愛
遠距離恋愛 しっかりしてる 「ママ!大丈夫!?」床に倒れこむ私に、娘の金切り声が響く逢いに行く前夜このところ、気の張る時間が続いていた。答えの出ない闇のなかで、手探りで方法を探る。睡眠不足や体の疲れと共に、心因性だろうと容易に想像のつく胸痛は、刺すような痛みや肩の張り... 2022.06.22 遠距離恋愛
遠距離恋愛 別の人とするから 妻と夫は、いつから「お母さん」と「お父さん」になるんだろうパートナーとした約束それは、子どもが出来ても、それぞれを「お父さん」「お母さん」と呼ばないようにしようということ。私は、子どもには「お母さん」だけどあなたのお母さんではないから子ども... 2022.06.21 遠距離恋愛
遠距離恋愛 この日の予定 「○日の土曜日ってどんな感じの勤務ですか?」いつもの、お昼休みの電話で何気ないふうを装い、話を振った随分先の、日程数秒の沈黙のあと雅治は、声に含むような笑いを含ませる「何か、あるの?・・・研修とか」「・・・いいえ、何もないわ」「うん?・・・... 2022.06.20 遠距離恋愛
遠距離恋愛 気配 ベッドから何度目かに身体を起こし、裸身のままでベッドから下りた。足がさっきまでの振動を覚えていて、踏みしめると股関節にはけだるい違和感が残る何度も身体を駆け抜けた衝動は、重い疼きとして、さっきまで触れられていた下腹部にも残っていてさらに、胸... 2022.06.09 遠距離恋愛
遠距離恋愛 寝てた 寝息のような息づかい、腕枕が身体を支えていることにふと気づいた目を閉じている雅治のほうにゆっくり向きなおり、胸に散らばる昨日の、さっきの赤い痕跡に触れるひとつ、ふたつ、みっつ・・・「う・・・ん?」閉じていた目がゆっくりと開いて、小さく口角が... 2022.06.08 遠距離恋愛
遠距離恋愛 漁火 「いやっ、ダメッ」身体を沈みこませて来る、雅治の重さを腕で押し返した押し返しても、押し返せば余計に身体の自由を奪われる足を組み抵抗してもかなわない雅治の指、舌、腕私のすべてを知っているそれらは、私をますますのけ反らせ、理性で抑えられない声を... 2022.06.07 遠距離恋愛
遠距離恋愛 還りたい 「緊張してる・・・いや、疲れかな」歯がゆそうに抱きしめ、雅治は私の上に崩れ落ちた「緊張って、私相手に何で」「・・・久しぶりって緊張しない?大好きなひとと久しぶりにやっと、僕はだからいつも緊張して、毎回戸惑ってる」「また・・・そんな、もう」男... 2022.06.06 遠距離恋愛
遠距離恋愛 肌の声 「ここを何時に出たらいい?」「タイマー、かけました。その時間に」「そう」あと2時間、一緒にいられるあと2時間「昨日の疲れは?」「残ってるねぇ、sanaの色気にだいぶやられたみたいで、疲れが抜けないよ」「色気って。じゃ・・・もう今日は、お昼寝... 2022.06.05 遠距離恋愛
遠距離恋愛 他の音は要らない テーブルに突っ伏すように小さく折れた私を、雅治は背後から抱え込んだまま、その左手をブラウスの下に滑り込ませる汗ばんだ肌は、そうでなくても熱いのに触れられたところからさらに熱くなっていく雅治は、私の、禍々しい渇望を見たがる「いつもとの・・・ギ... 2022.06.04 遠距離恋愛
遠距離恋愛 部屋 「どうぞ」「・・・広い」「でしょ。ダブルだから、バスタオルもバスローブもふたつある」私を見る視線がひとつしかない空間は落ち着くいや、勿論道行く人が皆私を見ているなんて思ってはいないけど外を歩くと、どうも無駄な緊張感に疲弊する「歩いて・・・汗... 2022.06.03 遠距離恋愛
遠距離恋愛 離れて 遠目、でも雅治はすぐにわかる見つけた ホッとする半日ぶりに見たひとは、道端の手すりに背を持たせかけ立っていた。歩く人の視野には入らないような位置で何気なく、ただ立っている風を装いながら人の中に埋もれてしまいそうな私を探すように目が動いている... 2022.06.02 遠距離恋愛