何の音？
遠距離恋愛
やわらかい生地のそれは顔を半分覆うほどに大きくて、目だけを覆う形ではなかった 後部についたマジックテープをビリビリと開くと、頭のサイズに合わせて強めに止める 「痛くはない？」 「うん」 「見えてない？隙間からとか」 「見えてません。・・・ねぇ、ウソ、ホントに？」 「うつぶせになって」 「ええ？」 「いいから、大丈夫」 視界を遮られたまま、触れられながら、身体をうつぶせにされる何をされるかわからないドキドキと、タイミングの掴めないドキドキ「めくるめく異空間にようこそ」的な・・・・ と思ってたけど マニアックに妖しげな仮面舞踏会ではなく、ふんわりとやわらかな視界のさえぎりは目を閉じたいつもとそう変わらない どうやら、「めくるめく異空間」を味わうには少し歳をとりすぎてしまったようで。 ぽつりぽつり聞こえる指示のような雅治の声、そっと触れられ動かされる、それは色情じみた気持ちになるというよりも、見えないからの楽さというか 雅治がどんな顔をし、どんな風になっているのかも見えないから、恥ずかしさよりも夢うつつのままで 何を見たいのか、私の今がどういう姿勢なのかもよくわからないから、ただ身を任せる。それは半身浴の
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