言いつけ
フィクションです。 ******** 私は親の言いつけを守るまじめな良い子だった。 ******** 「結婚なんてしないで アイジンになりなさい」 アイジンとは何かわからない年齢の頃から なにかにつけて母親にそう言われながら育った。 大人になった。 アイジンになった。 親の言いつけをまじめに守っていた。 けれど大人になったら母親はそんな私を全否定した。 「そんなことするために 育てたんじゃない」 意味がわからなかった。 私は親の言いつけをまじめに守っただけだった。 ******** 母親は同時に姉にはまったく逆のことを 言っていたこと大人になってから知る。 「結婚しなかったら 生きていけないから 絶対に結婚しなさい」 姉もまた親の言いつけをまじめに守る子どもだった。 母親の言いつけを守って姉は結婚しようとしてた。 婚約相手の両親から全否定されて罵られて蔑まれて見下されても 結婚しないと生きてはいけないと言われて育った姉は我慢した。 そして心身共に壊れて寝たきりになった。 婚約相手の両親から寝たきりの嫁は要らないと破談になった。 結婚の
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