この日の予定
「○日の土曜日ってどんな感じの勤務ですか?」 いつもの、お昼休みの電話で何気ないふうを装い、話を振った 随分先の、日程 数秒の沈黙のあと雅治は、声に含むような笑いを含ませる 「何か、あるの?・・・研修とか」 「・・・いいえ、何もないわ」 「うん?・・・じゃあ、どうして?」 わかってるくせに 私はいつもそんなふうに雅治の先の予定を把握するようなことを言わない 言わせようとする、私の本音を 「・・・逢いたい、と思って」 でもこれは、私のルール「逢うためだけには逢わない」に反する 雅治は、電話の向こうで含み笑いを洩らした 「何と言って、そっちを出てくるの?」 「研修、って。翌日は試験があるし」 「・・・日帰りなの!?」 「ええ、泊るまではできない」 「大丈夫なの?・・・僕に逢って、試験の単位が不認定になったら困るよ」 「逢ったことを成績不振の理由に仕立てたことが今
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