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でも、会えたと思うよ

遠距離恋愛
「数学科も受かってたんだけど。兄貴がね、それよりもこっちのほうが将来性があるからいい、と言うから」 「でも、こっちに来たら、数学の先生にはなれませんよ」 「うん・・・でも、兄貴が言うならそうなのかな、と。第一志望じゃなかったけどこっちに来た」 「県外、は?」 「・・・考えなかったねぇ。」  雅治は、水だと、改めて思う 流れのままに、形のままに添って流れていくでも、その中で少しずつ自分の流れを作って、何かの異物があったとしても、いつのまにかそれを削り、自分に合うしつらえにしてしまう 「でも、どうして数学?数学が好きだったんですか」 「問題解くのは好きだったね、数学は当てはめるルールがあって、答えは必ず一つ。楽だもの」 神経質そうにきゅっと眉を寄せ、鉛筆を握って計算をしている、話しかけてはいけない気配を纏った、昔の「センセイ」を思い出す 「答えが一つじゃないものは?」 「得意じゃないね、だから・・・毎日色々と困ってるのよ」    そう言うと、言葉を切り 「でも。そうだとしても、会えたと思うよ」 「え?」 「もし僕が別の大学に進学していても、あの頃、その大学からうちの大学のほうへ教えに来ていた先生もい

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