寝てた
寝息のような息づかい、腕枕が身体を支えていることにふと気づいた 目を閉じている雅治のほうにゆっくり向きなおり、胸に散らばる昨日の、さっきの赤い痕跡に触れる ひとつ、ふたつ、みっつ・・・ 「う・・・ん?」 閉じていた目がゆっくりと開いて、小さく口角が上がると、触れている私の手を取った じっとりと湿気のような熱を持たない雅治の肌は、もうさっきの猛々しさを消していて 雅治の荒々しさは私を取り戻させそして、続くこの静けさに私は癒やされる 雅治には、静けさが似合う寡黙な裏に茶目っ気と少しの弱さが同居する、ハイブローな雅治の空気感がどうしたって私は好きで 静かな横顔は衣擦れ音だけの、この空間にふさわしい トック、トック・・・ 早くもなく、遅くもない脈が耳に届くその規則正しい鼓動を聞いているうちに、私も目を閉じていたようで ピピピ ピピピ ピピピピピ・・・ 「・・sana 起きて・・・準備しないと」 「ん・・・ん・・・・?」 &nbs
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