全部の私を
いつもは遠いその手を、気配を思い出すしかないひとりで、というほどその手を思うパワーはないけど 唇は、そっと突起を咥えた舌の動きは滑らかで、溶けるような感触に身を任せていく 「ん・・・っ・・・」 私からこぼれる声に、雅治の舌が強弱を加えていく するりと添う肌は、触れたかった肌でもう、何をどうされても、気持ちいい 「ああ・・・」 手を添える私の掌の中で、それは私が身をよじり身体を震わせる度に強さを増し、跳ね返るように硬く やがてしっとりと、滴り、粘度を持って指先に絡みはじめる ふうっ・・・・ ふいに洩れる雅治の吐息は同時に、私にも羽で撫で上げるような快感を与え続ける 触れられているだけで、ほっとする触っているだけで、安心する いい いつもより瞳を合わせいつもより、雅治の目を見つめた それを受けるように、私を見つめるその甘やかな光に酔う どれだけ、その手に、その目に酔わせるのだろう 私は、やっぱりどうしても好きでどうしても雅治じゃないと&n
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