どこに行くの?
精一杯の平静を装い、浮かびそうな笑みをかみ殺した雅治のよそ行き顔 ちゃんと約束どおりに結ばれたネクタイと留められているネクタイピン それらを見たら こんなにカワイイひとだったっけ、なんて思って 少し、困らせるイジワルを言いたくなった 「今日はどこに行くの?」 「え?」 「久しぶりにカラオケ、それともボーリング?もう少し行けばありましたよね」 車で走り抜けていくこのあたりは、学生街今も昔も、そのあたりの遊びには困らない 「カラオケ行きたいなあ・・・、あ、久しぶりに少し足を延ばして温泉街を歩くのもいいな、学生の頃、あの街並みを歩くのが好きだったの」 「・・・えぇ?じゃあ、じゃあ・・・そうする?」 少しためらうような声を上げ、運転する私を見てでも雅治の手は、運転する私のスカートの下に滑り込んだ。私の言葉と、私の身体。知り尽くした、そのどちらに私の本音があるかを確認するように 「もう。ダメ、事故するから」 思わず、その手を押さえたいつものこの手が、太もものあたりでうごめくのを押さえないと。せっかくのイジワルが
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