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欲しい指先

遠距離恋愛
触れて欲しい所に、触れて欲しいように触れて欲しい指先が伸びる。 狭いベンチタイプの椅子では、いくら掘りごたつ形式とはいえ、身をよじっても逃げられる場所は無い追いつめられたような仕方なさを、また隠れみのにしながら そうではない抵抗を、してみる   向かい合わせの個室だったら、こんなに早く、こうはなっていなかったはずで 互いに押し殺す吐息がすでに必要十分な背徳を掻き立てた  触って、と手首をつかまれて誘導されても抵抗感のあった場所に触れるのも5年という歳月を経ると、出来るようになり そっと触れると、私を責めるばかりだった先生の身体に走る小さな動き私の手に、確信のように伝わる   「ふふふふ」 「ふふふふ・・・」  止まった動きに、どちらも含み笑いを漏らした。     時折唇を交わす。過去を巡るように離れた時間を埋めるように。 言葉を交わさなくても満たされる、懐かしい時間がそこにあった。  はっと我に返ると予定していた時間はあっという間に過ぎていた。2時間のつもりが、倍近い時間を過ごしていたことになる。 他の席は回転を気にしても、小さな2席分など店員さ

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