スポンサーリンク

寝乱れの景色

遠距離恋愛
「もう・・・・・・」  雅治から声が上がるまでに、数分かかっただろうか崩れ落ちるように、身体から力が抜けていて抱えられていた腕をずらして身体を離した。力なくぱたりと腕が戻る。横たわる雅治の腰あたりまで白いシーツを引き上げた  精も根も尽き果てた。それを表現するかのようにもうどのパーツも動かせない様子で  伸ばしかけた手がシーツを掴もうとするけれど掴みきれなくて、また掌を開き、置き場のない身体の脱力を、なんとか手で支えようとしつつも ぱたりとやめ、また動かなくなる かわりに、シーツをもう少し雅治の胸元まで、引き上げた    「ん・・・・」  「いるわ、ここにいます」  「ん・・・・」  薄目をあけ私の手を握ると、また目を閉じる瞬く間に呼吸が深くなり、握った手の圧が弱くなって すーっ・・・・という寝息が聞こえてきた  亡くなる時、ってこんなふうな顔で一人ひとりの顔を見回し私の手の届かない、知らない場所で久遠の眠りにつくのだろうかその時、そこにいない私を探す?今みたいに、今私に向けた眼をしながら、記憶の中に探したりするんだろうか 何を考えてる  そっと

リンク元

遠距離恋愛
スポンサーリンク
ainoをフォローする
スポンサーリンク
恋愛をテーマにした人気ブログまとめサイト 

コメント

タイトルとURLをコピーしました