死刑廃止へ向かわせた事件

1981年ミッテラン大統領下、法務大臣として死刑（peine de mort）廃止を実現させたロベール・バダンテール（Robert BADINTER）氏が2月9日死去されました（その時の記事↓）。本日はバダンテール氏を死刑廃止へと向かわせた事件について記しておこうと思います。1971年9月21日フランス東部オーブ（Aube）県の刑務所である事件が起こりました。二人の囚人、クロード・ブフェ（Claude Buffet 38歳）とロジャー・ボントン（Roger Bontemps　35歳）が看守と看護師2人を人質に取り自由を要求して救護室に立てこもったのです。この2人二人の囚人のうちの一人、クロード・ブフェはナイフで女性を脅しハンドバッグを盗む犯罪を繰り返しておりましたが、1967年1月18日遂に医師の妻をナイフで殺害し、1970年10月終身刑の判決で服役していました。もう一人のロジャー・ボントンは元軍人でアルジェリア戦争に従軍、その後は陸軍の空挺部隊の教官として働いておりましたが、バイク事故を起こして退役、配管工になりました。しかしながら彼は酔って車を盗み1960年懲役18か月が宣告されました。1960年代も他に3件の悪行で有罪判決を受け、仕事を失くした彼は1962年タクシー運転手に重傷を負わせタクシーを奪った後、銃で脅してビストロ（レストラン）のレジのお金を盗もうとして逮捕されました

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