埋めていく
「・・・手が止まってるよ。コーヒー、まだ?」 「もう!」 「入れてよ、コーヒー」 耳元で囁き、言葉とは真逆の方向へ手を動かし ・・・注ぐ手を、止めさせているのはどっちよ ベッドでは感じない身長差を立位ではとても強く感じる それは日常の距離感にも似て 立位でのバックハグ、雅治は膝を折り、私の背に添うように身体を密着させる。向かい合わせのハグもそうだけど、囲い込むように包まれ、覆われてしまう 包み込まれた中で、くるりと踵を返し目が合ったところで、飛びつくように背伸びして首に手を回した 「どうした、コーヒーは?」 「もう知らない。ベッドに行く」 「ベッド!?あれれ、コーヒー・・・」 「もう!」 首に腕を回したら、足元はもう宙に浮く雅治が普通に立てば、私はぶら下がったようなつま先立ちで 「・・・コラコラ、だったら先に身体を流そうよ」 そう言い、困ったなあとまるで私に押されているかのような気配を放ちながら私を抱きかかえ、ベッドに流れ込んだ 欲しいのは、最初からコーヒーじゃない 目線が、無理をしなくても揃うやっと無理せずに目を合わ
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