海へ
土曜日の夜にパリ郊外から来てくれた私の親友は骨壺の息子を見て「〇〇ちゃん、こんな小さくなっちゃって」と泣いてくれ、彼に向かって「〇〇ちゃん、ママこんなに痩せちゃったんだよ」と言って私を抱きしめてくれました。夜は息子が死んでしまってから作ることが出来なかった彼が大好きだったカレーを作り、お供えをして一緒に食べました。携帯に「お昼来る?カレーだよ」と送ると「もちろん」と返信があったなぁと空になることがないお皿に苦しくなりました。翌朝は海に連れて行ってもらいました。本当はダメだと思いますが息子の遺書にあった「半分はブルターニュの海に半分は日本の海に灰を撒いて欲しい」という願いを叶えたかったのです。骨壺に手を入れるとサラサラのパウダー状になった灰があり、ナイロン袋に少し移し替えました。全て灰だと思ったのに大きな欠片もあり(これは頭蓋骨なんだろうか、腰骨なんだろうか)と思い骨壺に残しました。手についた灰は自分の体にすりこみました。「ブルターニュの海」と彼が指したのは恐らくサン・マロと彼が好きだった町のビーチだろうと思いましたので先ずはサン・マロの海に撒きました。砂と変わらない色の灰はあっという間に沈んで消えていきました。風にもさらわれていきました。自由になれたのかな?これでホッとしたかな?長い間部屋にいてしんどかったよね。もう波になって自由にどこでもいけるよ。サン・マロを離れて次に行った町は
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