ケーキ
片思い
フィクションです。 ******** 覚えていますか? はたちそこそこだった私にあなたは言った。 「花粉がひどいから うちに来たら? ケーキでも食べながら 打ち合わせしよう」 花粉がひどいからと自宅に誘う意味がわからなかった。 ケーキを食べながらするような話でもない。 そもそも自宅でなにを打ち合わせるというのか。 ******** 夢をかなえられるかもしれないというチャンスが目の前にあるとき 夢に一歩でも近付けるかもしれないチャンスのきかっけを 握っている大人が目の前にいるとき どれくらいの人が冷静な判断をすることができるんだろう。 ******** あの日の私が冷静だったわけでも分別があったわけでも 年齢のわりに大人びた考えができたわけでもなく。 ただなんとなく気持ちが悪いとか気味が悪いという 感覚が先に立ったのでそのお誘いを断った。 池袋の駅でその人に言われる駅への 乗り換えをするかどうか迷わなかったわけでもなく。 しばらく駅にいて動けなかったことも記憶の中にある事実。 駅までは迎えに来られなかったから ひとりで考える時間が持てたというだ

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