フィクションです。 ＊＊＊＊＊＊＊＊ 彼はいつも日記を書いていた。 その日記を私に読ませてくれていた。 なぜそんなことをしてくれたのかはよくわからない。 日記の中にはいつも私が登場していた。 一緒に過ごしたほかの人との話ではなくて 私と過ごしたなんでもない日のなんでもない話が日記に書かれていた。 穏やかで平和でなんでもない時間は長くは続かなかった。 それでもあの時間あの空間はきっと私たちにとって 当時の私たちにとって必要なものだったと今では思える。 ＊＊＊＊＊＊＊＊ 彼と散歩しながら公園で逆上がりをしようとしたけれど できなくなったことを17歳のときに知った。 彼の好きなゲームやガンダムの話はまったくわからなかった。 彼の聞いている音楽も彼の夢中になっているパソコンの作業もまったくわからなかった。 お互いにお互いの世界を共有しようとすることもなく強要も強制もすることなく。 なにかのきっかけで離れたわけでもないし壊れたわけでもない。 ＊＊＊＊＊＊＊＊ フィクションです。
Source: ★★片想い10年ロック★★
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