形式の似た感情(8)

フィクションです。 ******** ペントハウスに住んで高級な車に乗って高級な時計をつけて オーダーのスーツを着ていたとしても 私に電話をくれて「どう思う?」「なんでだと思う?」とたくさん話をしてくれた。 精一杯で話をして全力で答え続けた。 数年ぶりが嘘みたいにその時間はまるで高校生のころみたいで。 私が大好きだった彼ではなくなっていても あのころの私とは違っていたとしても それでもお互いにしかわからないことはちゃんと存在していて その話をするには彼が今いる場所には相手がいないのかなとよぎったりもしたけれど 相変わらずそういうこと聞くことはないままその日は朝まで電話で話した。 それ以来彼とは連絡をとってはいない。 それでもときどき彼のことを思い出す。 ******** たぶんなにももらったことはなかったけれど ネットでレシピを調べて作ってくれたハンバーグおいしかったよ。 たぶんなにも特別なことはしたことなかったけれど 川に遊びに行って川岸で私の背中を枕にして寝ている彼と 日が暮れるまで話していた時間とても楽しかった。 人前で服を脱いだり着替えることはない。 私の
コメント