恋って、恋ごとに、忘れられない光る思い出がある。どんなにひどい終わり方をした恋でも、光る思い出は、ある。 終わった恋をふっと思うと、光る景色みたいな思い出が浮かぶ時がある。 それは、恋ごとにいくつかの景色があって。でも別に、特別な思い出じゃなくて。 なんだろう。こういう風に心に浮かぶ思い出って、あの時、あの人のことが、一番好きだった時の景色なのかな。 海に向かう、車の中。窓を開けた時、ちょうど海の匂いがする風が吹いてきて、気持ちよかった記憶とか。 夜の道を、遠回りしてふたりで歩いたあの日とか。 彼の部屋に行くまでの、坂道でのわくわく感とか。 待ち合わせの場所であの人を見つけて、走っていきたくなるような気持ちとか。 そういうのが、時々、心に浮かぶ。 恋が終わってしばらくは、そんな思い出さえ苦痛だったけど、時間がたくさん流れていくと、そういう思い出の景色が、きらって光って見える時がくるのかもしれない。 終わりの時のつらい記憶は、それは、心に深い傷として残っているけど、光る思い出は、また心の違う場所にある気がする。 なつかしいな。 これは、胸の奥が、ちくりと痛いような、そんな光る思い出が、少し愛おしく感じられる場所まで、私が来れたからなのかな。 まあ、暗く黒い気持ちになる時も、あるけれど。
Source: 恋は終わったあともまだこんなにせつない
つらく終わった恋でも、きらって光って見える時が景色がある。

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