生きざま（5）
片思い
フィクションです。 ＊＊＊＊＊＊＊＊ おはがきを頂いてどうしようかとずっと考えていた。 びっくりした。ショックだった。 悲しい辛い苦しい痛い。 でもそんなのはご家族のことを思えば なにも知らなかった私がなにを言うことができるのだろうか。 お会いしたことがあるとは言っても ご高齢のお母さまがそのときの私のことを覚えておられるかも はがきを出した人間と一致しているかどうかもわからない。 そしてそんなことをこちらの勝手な都合で わざわざ確認するのも必要がない気がした。 ＊＊＊＊＊＊＊＊ おはがきへのお礼とお悔みのお言葉とお供えくださいの 短いお手紙とともにAさんへの最後のラブレターを書いた。 いくら考えても一度お会いしたお母さま遺された弟さんご家族へ 私が伝えられることはなにもないのではないかと。 Aさんへ伝えたいことお手紙にしてお母さまへ預けることにした。 それもまたご迷惑であったかもしれない。 それでも天国にもありがとうと大好きは届くと信じたかったから。 ＊＊＊＊＊＊＊＊ Aさんが好きだったものの便箋と封筒を使った。 長く長くなった最後のラブレター。&nb
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