フィクションです。 ******** 引っ越しが決まってからもおばさまと彼女の交流は続いているようで。 その話をごみ出しのとき私に話すこともまた おばさまの中では続いているようで。 私にとっても彼女の話を聞くことが少しずつ 「いつもの」になりつつあった。 ******** バナナの国で生まれて育った彼女はあの パンデミックの最中に母親を亡くしていた。 コロナ患者で病院がパニックになっていたころ母親に癌が見つかった。 どこまでが本当かはもちろんわからない。 それでも発見も処置も手術も治療も遅れて彼女は母親を亡くした。 母親がいつも日本で働くことを夢見て話していたから 母を亡くしたあと自分が代わりに夢を 叶えたくて日本へやってきた彼女。 の話をおばさまが早口で流暢に聞かせてくれる。 勝手になんとなく彼女に思いを馳せる。 ******** お母さまを亡くしてお母さまの夢を追ってひとり日本にやってきて。 胸があつくなる。 私あいさつしかしたことないくせに。 ******** フィクションです。
Source: ★★片想い10年ロック★★
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