遠く遠く
「大丈夫」 口に出し、勾配の坂を上り高速を走る 「いける、大丈夫」 喉がヒリヒリしながら、眠気覚ましのガムを噛み 「やっぱり、いつもより緊張してる」 「そりゃまあ、そうでしょうね」 「大丈夫、行ける」 声を出しながら、運転した このあたり・・・と事故現場を通り過ぎるあたりが、一番遠く遠く感じたように思う走っても走っても、まだある直線の高速道路同じ所を走ってるんじゃないかみたいな気になり もし無理なら、引き返す降りることのできる出口はある まだ、逢うはずっと先のようで 手の汗はじんわりと横を走り抜ける爆速の車にいちいち驚き、その度にもしあの時逆にハンドルを切ってたら・・・そう思いかけ 「ちがうちがう、そんなこと起きてない」 と口に出し否定する 予定してきたプランを、丁寧に氷を踏むようにそっとこなしていき 「大丈夫、もうすぐ高速を下りる、ここまで来れたよ、ほら」 自分へ言葉をかけ続け もう大丈夫。これできっともう動けるようになる セラピストとクライエント「ふたり」を、もう「ひとり」にまとめてもいい。 社会不安(障害)は、準備好き
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