おしゃべり① 昔の話
「・・・でもよかった。退職後すぐに別から来てくれって話が来るなんて、今までの仕事の仕方が間違ってなかったってことよ」 平日の休み。時間単位での予定満載のなかに確保した隙間時間を、親友の理恵とのランチにあてる仕事への目線は似てる。いや、仕事以外のところも色々と似ているのは過去記事のとおり。スネに傷があるところまでよく似てる。後悔や修羅場も、回りまわって今では全部笑い話だけれど。 「そうそう」 くるくる巻いたトマト色のパスタにフォークを滑り込ませ、唇についた赤みを舌で拭うと、理恵は話し始めた 「友達からね。sanaが前に勤めてたところで働いてるって聞いてびっくりした。あの事務局長の病院!って」 「あの事務局長・・・懐かしい話を。でも、もうとっくにいないわ。私の元上司はまだしがみついているみたいだけど」 「・・・そうなの?まだいるのかと思ってた」 「私が退職して3年もしないうちに辞められて、横浜のほうの老健の施設長に引き抜かれた・・・聞かなくていい情報は勝手に入ってくるのよ」 「東京の、横浜?」 「そ、こっちの横浜町じゃなくて。レインボーブリッジの横浜」 あの
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