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遠距離恋愛
「もう言っておこうか。その日、その試験会場の近くまで行く、仕事で」「でも、逢うなんて無理じゃないですか?他の先生方もいらしてるんでしょう?まさか、随分と危険な橋を渡ろうとなさるの?」今までに無いそんな遠回しな誘い水を、私は笑ってはぐらかしその後ももう一度、電話口でそれを話すこともなく時は過ぎた今までずっと逢う、という波をふたりの間で起こすときに、動きのない静かな湖面に石を投げるのは、私雅治は落ちてきた石を拾い上げ、浮かんでくるだって、先生(雅治)は、私の、突然の逢いたいにただ「わかった」と添うだけそこに、どんな私への感情があるのか知りたいけれど、そこを詰問しつまびらかにしたとすれば、終わりへの導火線に自ら火を点ける行為のような気もして。たまたまの顔をして逢い次の約束を交わさずに離れるそうして離れた年月は1年、3年、結婚したら5年空いた逢った翌日は、それは本当に白昼夢であったと思うほどに表面は何も変わらずメールもLINEも、用事は済んだとばかりにピクリとも動かないただ、逢うという行為は、私の中に恋情と思慕の思いにまた火をつけた。艶めかしくまざまざと遺る肌の記憶が、囁く声や息遣いが、刺青のようにキリキリと鮮やかに身体に描き込まれ、結果、炎にまかれるようにひとり身を焦がしたきっと、そんなふうに想っていることなど先生は気づかないこう書けばなんとズルいオトコだ、となんと浅い、気づかぬオンナか

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