厭わない間柄
ふたりのひとの中で持つ感情、というのは、シーソー・・・ ではいけないと思う 重さ比較、でもなく必要か必要でないか、でもない つりあう必要、もなくどちらかに軍配を、というものでもない どちらかを諦める、というのも違うしどちらかを自分の中で無いものにしてしまう、というのも違う いわば別の国、通貨単位が違うし、国交もないし 「今日は、あまり時間が無いかな」 「そう。・・・もう食事はされました?」 「うん、あとでS教授が僕の研究室に来られる」 S教授というのは、私が在学当時もいらした先生で 「じゃこの電話の声が外に聞こえないうちに切らなきゃ、sanaちゃんといったいどんな関係なんですかって聞かれたら困るわ」 「言っておくよ。彼女は僕の全てを知っていて、僕は彼女の中で出すことを厭わない間柄ですが、何か?って」 「えっ・・・と・・・」 「うん?」 「・・・じゃ、じゃあ、あとでS教授にも私のほうから電話しておきますね。そうなんです、よろしくご配慮下さいませって」 そんなことは百にひとつも、いやいや太陽が爆発したってない
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