初めての

きらびやかなネオンと人込み。しばらくこんな場所を地元でも歩くことはなかったからか、土地勘の無さを雅治の存在でカバーしたとしても、なんだか落ち着かなくて。何となく、いつもは避けるのに、雅治の腕に自分の腕を絡めたくなる。ダメダメ、まだ早い「ねぇ・・・あそこは？」 「どこ？」 「この上の・・・ベトナム料理」 「ベトナム料理！・・・食べたことないよ」「ウソ、生春巻きとか、フォーは？」「食べる機会なんて今まで無いもの」「あら、まあ」イタリアンとかフレンチに比べて、東南アジア系のお料理は好みが分かれる。魚醤とかパクチーの独特な香りが苦手な人いるもんね。・・・パートナーはその筆頭だし。一度タイに行って以降は、そのあたりのお国のお料理がちょっと好き石鹸はハーブ要素が強くてさっぱり使えるしパッと華やかな刺繍のシャツとか、着たりする雅治の前では着たことはないけど案外似合うの（笑）エキゾチックな東南アジア系「わりと好きなの。東南アジア系のお料理」「そうなんだ。でも大丈夫かな、パクチー食べたことないけど。だいたいのメニューは辛いの？」「そこまで辛くはないと思う。お米のお料理も多いから日本人にはそんなにキツくはないはずよ」「へぇ・・・じゃ行ってみようか。ベトナムか、面白そうだ。一人ではまず来ないセレクトだし、行こう」まだまだ、初めてが沢山ある雅治は、面白がるような笑みを浮かべた

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