リアルタイム20220226 かなわない
遠距離恋愛
「あのね、しばらく電話いいから」 それをLINEで告げた声を聞くのは、嬉しい今までを取り戻すような、そんなひと時「じゃ、また、そろそろ時間だ」「はい、じゃ」20分くらい話をしてそう言われ、私は自分で電話を切らずに、急いで耳からスマホを遠ざける。プツッと途絶える、その瞬間を自分で作るのも嫌、聞くのも嫌い。その音を聞かなかったら繋がったままで、ほんのり気配を残しながら日常に戻れる気がしてそれを、そんなやりとりを私は突然に私からストップさせる私の中の「やらなければならないこと」「やりたいこと」「知りたいこと」を雅治よりも優先させる助けが欲しいのに、手を離そうとする関わっていて欲しいのに、遠ざけるこれはもう私のクセで「声を聞いてしまうと気持ちが弱くなる、つい甘えて声の向こうの雅治を考えてしまう。それじゃダメなの。 負けてるの。試験が済むまで声は聞かない」LINEで綴り、送信する私は、何に負けるというのか何に勝とうとするのか論述試験と、雅治を同じ壇上に並べる自分のやるべきことが、予定通りに進んでいないことを、そんなところにひっかける何のための心理学の試験だ学びを深めるのに、関わりを断たないとならないのはまるで本末転倒解ってるまだまだ、子供だ、ホントに同じ事をされたら、私はだいぶしんどいと思うだろうに「了解」LINEに綴られる短い言葉たちは、不必要に熱を持たない私が見せないようにする
コメント